初期では自覚しにくい
歯周病にご注意ください
-
30代以上の約7割以上の人が、歯周病かあるいは潜在的な予備軍といわれます。
(厚生労働省 平成28年歯科疾患実態調査)歯周病は痛みのないまま進行するため、サイレント・ディジーズ(静かな病気)とも呼ばれます。
気づいたときにはかなり症状が進行している場合が多く、早期の治療開始が重要です。
歯周病とは
歯周病とは、歯を支えている骨(歯槽骨)を破壊してしまう病気です。
歯肉炎、歯周炎(歯周病)の
違いは
歯の周りには歯周組織というものがあります。
歯周組織は歯肉、歯根膜、セメント質、歯槽骨に分けられます。
このうち炎症が歯肉に限局した場合を歯肉炎といい、歯槽骨、歯根膜、セメント質の破壊を伴う場合(現実的には歯槽骨の破壊がみられるもの)を歯周炎といいます。
これらは炎症の範囲を示す病変であり、病変の激しさを表すものではありません。
なので、明らかな歯肉の腫れがあっても、それが歯肉に限局していれば歯肉炎になります。
逆に臨床的にほとんど炎症像が見られなくても、歯槽骨の破壊あれば歯周炎ということになります。
また歯周炎は慢性的に進むものが多く、普段は特に大きな症状として感じることはあまりありませんが、疲れたりして体の抵抗力が落ちると痛みや腫れとして症状が出てきます。
歯周病の進行の仕方
「歯肉炎」→「軽度歯周炎」→「中等度歯周炎」→「重度歯周炎」という過程で進行していきます。 始めは歯肉が赤くなり歯磨きをすると血が出る軽い症状(歯肉炎)から始まり、気が付いたときは骨破壊が広範囲に及んでしまっている場合(中等度歯周炎や重度歯周炎)もあります。
歯周病の恐ろしいところはここにあります。
歯周病の検査から治療の流れ
-
Step01
歯周基本検査
具体的には歯周ポケットの測定、歯の動揺度の測定、プラークの付着状況の検査などです。
状況によってレントゲン検査も併用します。
また動画機能のついた口腔内カメラでお口の中の状態を実際にご覧いただき詳しく説明させていただきます。 -
Step02
ブラッシング指導
まずは普段のブラッシングの状況を伺い、場合によってはやり方を実際に拝見します。
検査で問題があった部位を中心にブラッシング指導させていただきます。また、患者さんごとに適した歯ブラシなどもご紹介します。 -
Step03
スケーリング
歯面に付着しているプラーク、歯石、その他の沈着物を機械的に除去していきます。
-
Step04
歯周基本検査(2回目)
検査内容は1回目の検査と同じです。再度検査をすることで1回目の検査値と比較ができ、改善されているかどうかが分かります。(状態が落ち着いてきていれば3~4か月後のメンテナンスに移行していきます。)
-
Step05
SRP
(歯肉縁下のスケーリング)歯周ポケットの奥のプラークや歯石の除去を行い、歯の根面を滑らかにしていきます。
-
Step06
歯周精密検査
スケーリングやSRPなどの非観血的処置によって歯周組織がどのくらい改善したかを検査します。
(状態が落ち着いてきていれば3~4か月後のメンテナンスに移行していきます)改善がみられなかった場合は歯周外科処置に進みます。 -
Step07
歯周外科処置
歯肉をメスで切開剥離し、歯根の汚れた部位を肉眼で確認しながら歯石を除去します。必要に応じて歯周組織の再生を促す再生療法を併用することもあります。
-
Step08
再評価
歯周外科処置により歯周病が改善されたかどうかを評価します。
-
Step09
メンテナンス
3~4か月ごとの定期的なメンテナンスを行い、再発しないように予防していきます。